半導体検査装置を手掛けるアドバンテストは2月28日、ダグラス・ラフィーバ副社長兼グループ最高執行責任者(COO)が4月1日付でグループ最高経営責任者(CEO)に昇格すると発表した。また、現副社長兼グループCOOの津久井幸一氏が社長兼グループCOOに就任し、現在社長兼グループCEOを務めている吉田芳明氏は執行権のない会長に就任することも併せて発表した。今後は主にラフィーバ氏と津久井氏の2人が中心となってグループを率いることになる。

ラフィーバ氏は1998年に同社の米国法人に入社して以来、26年にわたってVerigyのM&Aや事業戦略推進のほとんどすべてに携わってきた。2014年に執行役員に就任し、取締役兼常務執行役員などを経て、2023年から現職に就く。

一方の津久井氏は1987年に同社に入社。以来、主に計測器事業での開発や営業に携わってきた。2014年にラフィーバ氏とともに執行役員に就任。以降、グランドデザインや中期経営計画策定などに取り組んできた。

同社は2024年度から新たな中期経営計画をスタートさせる予定であり、これに合わせ、2020年頃から次期経営チームに関する検討が進められていた。生成AIが中心になるであろう今後の半導体産業の変革の中で高い成長を実現するとともに、地理的・事業内容的にも拡大する同社を率い、日本生まれの企業としての強み、インテグリティに含まれる誠実さや連帯感などを体現して求心力を発揮できるチーム体制を構築する必要があった。こうした背景の下、社内外両方で経営を委ねられる人材の検討を国内外関係なく行ってきた結果、ラフィーバ氏と津久井氏の組み合わせが最良であると判断した。

ラフィーバ氏は「AI関連で株式市場からの評価が高く、身が引き締まる思いだ。これからも勝ち続け、顧客を獲得し続けることに注力する」とし、「顧客が何に頭を悩ませているか、声に耳を傾ける。顧客のロードマップにどう応えていくか、柔軟に早く対応する」と意気込みを述べた。また、津久井氏は「私のミッションは明確で、ラフィーバ氏を最大限サポートしていく」と述べた。

今後はラフィーバ氏が主に米国を拠点にし、グローバルなグループ経営に専念する一方、津久井氏は日本法人の社長として、主にアジアの顧客に対するサポートを行っていく。