SEMIは7月11日、世界半導体製造装置市場の年央予測を発表し、同市場は2023年に前年比18.6%減の874億ドルに縮小される見通しを示し、昨年12月時点の予測であった912億ドルから下方修正を行った。一方で、2024年には反発し、1,000億ドル台を回復する見通しを示した。

セグメント別にみると、ウエハファブ装置分野(ウエハープロセス処理装置、ファブ設備、マスク/レチクル製造装置)の売上高は2023年に前年比18.8%減の764億ドルと、2022年末時点の予測である同16.8%減よりも悪化する見込みである。ただし、2024年には同14.8%増の878億ドルに回復することが見込まれている。後工程装置についても、半導体テスト装置市場が同15%減の64億ドル(昨年末予想:71億ドル)、組み立ておよびパッケージング装置市場が同20.5%減の46億ドル(昨年末予想:53億ドル)と、どちらも昨年末の予測を下回った。こちらも2024年には半導体テスト装置が同7.9%増、組立及びパッケージング装置が同16.4%増と成長が見込まれている。

アプリケーション別では、ファウンドリおよびロジック分野が同6%減の501億ドルの予測となり、最先端装置需要は若干軟化するが、成熟ノードへの投資増加により均衡し、安定的に推移すると予測された。また、2024年には同3%増の成長が見込まれている。メモリ分野は、メモリとストレージに対する消費者と企業の需要が引き続き弱いためDRAM分野が2023年に同28%減の88億ドル(昨年末予想:108億ドル)、NAND分野が2023年に同51%減の84億ドル(昨年末予想:122億ドル)と昨年末時点より下方修正されたが、2024年にはDRAMが同31%増の116億ドル、NANDが同59%増の133億ドルと、双方とも大幅に回復することが予測される。

なお、設備投資を地域別にみると、投資額はほとんどの地域で2023年に減少し、2024年には増加に転じると予測されている。上位3カ国は台湾、中国、韓国で、2023年のトップは台湾だが、2024年には中国がトップの座を取り戻す見込みとしている。

同社のプレジデント兼CEOのアジット・マノチャ氏は、「現在の逆風にもかかわらず、半導体装置市場は歴史的な複数年にわたる連続成長後の2023年の調整を経て、2024年に力強い回復を見ることになるだろう」とし、「ハイパフォーマンス・コンピューティングとユビキタス・コネクティビティに牽引された旺盛な成長が長期的に見込まれている」という期待を述べている。