先端半導体の国産化を目指すRapidusは9月1日、北海道千歳市に建設する新工場「IIM-1」の起工式を開催した。

起工式には西村康稔経済産業大臣、鈴木直道北海道知事、横田隆一千歳市長、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の及川洋副理事長などが来賓として出席、Rapidusからは取締役会長の東哲郎と代表取締役社長の小池淳義を含む経営陣が出席したほか、同社への国内出資企業8社の幹部も出席し、建設工事の安全を祈願した。

新工場は、世界で未だ実用化されていない2ナノメートル(nm)以下の最先端ロジック半導体を製造する国内初の施設で、今月から工事が開始される。同社は新工場建設に並行して、米・ニューヨーク州のAlbany Nanotech Complexに研究員を派遣し、IBMとの協働により、2nmのロジック半導体生産に関する技術開発を進めている。また、ベルギー・imecにおいて、EUV露光装置の技術を習得することも計画している。これらの技術を活用し、新工場において2025年4月にパイロットラインを稼働し、2027年には量産を開始する計画である。

なお、起工式には国内関連企業のみならず、imec、半導体製造大手の米・Lam ResearchやオランダASMLといった国外半導体関連企業のCEO(最高経営責任者)も出席しており、西村経済産業大臣は起工式に先立ち、これら企業CEO・幹部と相次いで会談を行った。imecからは、来年以降Rapidusの技術者を本格的に受け入れるほか、北海道に技術者を支援する拠点を設ける方針が示された。また、Lam Researchからは先端半導体の製造装置のメンテナンスを行うサポート拠点を北海道に設ける提案がされた。新工場建設に合わせ、海外半導体大手企業の北海道への進出は、最先端半導体の国産化に強力な追い風になるとともに、北海道が九州と並ぶ半導体の一大拠点として歩み始めることを意味する。