富士フイルムは2023年5月10日、米Entegris社の半導体用プロセスケミカル事業担当子会社「CMC Materials KMG Corporation(KMG)」(米テキサス州)を買収することを発表した。KMGの全株式取得に要する資金総額は7億米ドルとなる。

KMGが扱っている半導体用プロセスケミカルは、半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物を除去したり、エッチング工程において金属や油脂などを取り除くために使用する化学薬品。KMGは現在、米国・フランス・イタリア・シンガポールなどに全7か所の製造拠点を持ち、高純度な硫酸・イソプロピルアルコール(IPA)・水酸化アンモニウムなど幅広い半導体用プロセスケミカルを生産。米国・欧州・東南アジアで大手半導体メーカーなどの顧客に提供している。

富士フイルムは今回の買収を通じて欧米での製造拠点の拡充に加え、当社の半導体材料分野では初めてとなる東南アジアでの製造拠点の取得。より強固でグローバルな製造体制を構築し、サプライチェーンの強靭化を図る。