SEMIは2021年12月14日、SEMICON Japan 2021 Hybridの記者会見において、世界半導体製造装置の2021年末の市場予測を発表した。

半導体製造装置(新品)の世界市場は、過去最高であった2020年の710億米ドルから2021年には44.7%増加し1,030億米ドルの新記録となると予想している。さらに、2022年は1,140億米ドルまで増加する予定と、連続して記録を更新する見込みである。
前工程装置と後工程の組立パッケージング装置のいずれも大きな成長を遂げている。

前工程のウェーハファブ装置分野(ウェーハプロセス処理装置、ファブ設備、マスク/レチクル製造装置)は、2021年には前年比43.8%増の880億米ドルに拡大、こちらも新記録を達成する見通しである。2022年も好調が持続し、前年比12.4%増の約990億米ドルとなることが予測される。これに対して、2023年は984億米ドルで、成長率は0.5%の微減となる予測だが、依然大きな市場を維持することが期待されている。
前工程装置販売額の半分以上をファウンドリおよびロジック分野が占める傾向となった。最先端だけでなく、従来ノード向けの投資も堅調で、これらの分野の売上高は2021年には前年比50%増の493億ドルに達する見込みである。この成長の勢いは2022年も継続し、ファウンドリおよびロジックの装置投資額は17%上昇することが予測される。
半導体製品分野別では、メモリおよびストレージに対する旺盛な企業および消費者需要に応えるため、NANDおよびDRAM装置の投資が拡大を続けている。DRAM向け装置分野は、2021年に前年比52%増の151億米ドルと急拡大し成長をリードし、2022年は1%増と成長率は鈍化するものの153億米ドルとなると見られる。NANDフラッシュメモリ向け装置市場は、2021年に24%増の192億米ドルへ急増した後、2022年は同8%増の206億米ドルとなることが予測される。2023年はDRAM向け装置が前年比2%減少し、NAND向け装置が-3%減少する見込み。

後工程装置分野は、2020年には同33.8%増と旺盛な成長を示したが、2021年は同81.7%増と更に成長を加速させて70億米ドルに達する見込み。2022年もアドバンストパッケージングの投資によって前年比4.4%の成長が見込まれている。テスト装置分野は5Gおよびハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)アプリケーションの需要に応じて、2021年に同29.6%成長して78億ドルになり、2022年にはさらに4.9%拡大する見込みである。

地域別では、中国、韓国、台湾が2021年の設備投資の上位3カ国を維持する見込みである。2020年に初めて世界最大の市場となった中国が2021年も世界最大市場を維持する見通し。2022年および2023年には、台湾が首位に返り咲く事が予測されている。2021年と2022年は全ての地域において、装置販売額の増加が見込まれている。