半導体製造装置大手の東京エレクトロンは7月21日、同社の開発・製造子会社の東京エレクトロンテクノロジーソリューションズの穂坂事業所(山梨県)に建設していた新開発棟が竣工したことを発表した。

デジタル社会への移行による技術革新に伴って半導体需要の多様化が予想される中、開発棟新設により、半導体技術の高度化、複雑化に対応しようとする狙いがある。

新開発棟は同事業所6番目の開発棟として、130億円を投じて2021年12月に着工。地上4階、地下1階で延床面積は約21,000平方メートルとなり、主に成膜装置、ガスケミカルエッチング装置などの半導体製造装置やパターニング技術及びプロセスインテグレーションの開発に利用される見込みである。新棟では、これまでよりも大型の半導体製造装置の開発ができるように、天井を高くしたほか、同時に25台を開発できるようなスペースを確保した。

同社の両角友一朗社長は「今年は半導体需要が踊り場とされているが、来年以降は需要は拡大する。そのためにも次世代をにらんだ技術を継続的に創出させていく役目を担う」と、長期的な視野から、新開発棟の重要性を強調した。