2020年11月24日、South China Morning Post(SCMP)紙は中国・武漢市の半導体ファウンドリーHSMC(Hongxin Semiconductor Manufacturing Corporation)が破綻寸前にあると報じた。HSMCの元CEOであるShang-yi Chiang氏は、米国EE Timesに、「投資家たちが資金不足に陥った」と述べたそうである。また、SCMPが報じたところによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発祥地とされている武漢の地方政府が、HSMCを引き継ぐという。そして同社は、武漢市の東西湖区政府の国務院国有資産監督管理委員会の管理下に置かれることになるという。報道によると、HSMCの200億米ドル規模の半導体工場は、COVID-19の感染拡大に巻き込まれ、資金調達不足に陥ってしまったという。

HSMCは2017年11月に武漢市内の経済開発区内に、1,280億元(約1兆9,700億円)を投じて半導体工場を建設する計画を発表していた。同市当局も半導体産業育成に向けた「重大プロジェクト」として大々的に宣伝していた。
事業計画では2019年3月から14nm(ナノメートル)のプロセス技術の研究開発をスタートし、2020年下半期から初期段階のテスト生産を始める計画だった。と同時に、2020年から世界最先端の7nmのプロセス技術開発に着手するとしていた。19年末までに153億元が投資されていた。
しかし、COVID-19の感染拡大の影響もあり資金不足に陥り、武漢市当局は2020年8月下旬「資金不足のためプロジェクトは一時停止した」と発表していた。