昭和電工とロームは2021年9月13日、パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェーハについて複数年にわたる長期の供給契約を締結したことを発表した。基板メーカである昭和電工と先進的な化合物半導体開発を進めるロームで、SiCエピウェーハの特性均一性、低欠陥密度などの特性向上に向けた技術的な協力関係も強化する。
ロームは傘下にSiCウェーハメーカである独SiCrystal社を保有しているが、今後の需要増が見込まれるSiCエピウエハを安定的に確保するため、昭和電工と提携を行った。
ローム以外でもSiCデバイスメーカはウエハの安定的な確保を目指してSiCウエハメーカと長期契約を結んでいる。独Infineon Technolgies社は米Cree/Wolfspeed社と、スイスSTMicroelectronics社はCree/Wolfspeed、SiCrystalとの間で長期契約を結んでいる。いずれ契約期間、取引規模の拡大を進めている。
米ON Semiconductors社は2021年8月にSiCウェーハメーカであるGT Advanced Technologies(GTAT)社と買収契約を結んでいる(買収額は4億1,500万米ドル)。

今後、SiCを含む次世代パワー半導体市場は飛躍的に伸長すると予測されており、富士経済の予測では2020年の514億円から、2030年には4.8倍の2,490億円に達すると予測している。