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GNCレター
独Infineon Technologiesは10月29日、世界最薄である厚さ20㎛の300mm Siパワー半導体ウエーハのハンドリング及び加工に成功したと発表した。従来の厚さ40~60㎛のおよそ半分、人間の髪の毛の4分の1の厚さとなる。AIデータセンターへの活用が期待されている。
ウエーハの厚さを従来の半分にすることにより、基板抵抗は50%減少し、電力システムにおける電力損失は15%以上削減できるという。ハイエンドのAIサーバーアプリケーションでは、電流レベルが高まり、電力需要が増大するため、同技術が電力変換時に特に重要となる。こうしたアプリケーションでは、電圧を230Vから1.8V以下のプロセッサ電圧に下げる必要などがあるが、新しい極薄ウエーハは縦型トレンチMOSFET技術に基づく縦型電力供給設計を強化し、AIチッププロセッサへの非常に近い接続ができ、電力損失を低減し、全体的な効率を向上させるとしている。
20㎛という薄さを実現するためには、同社で独自のウエーハ研削技術を確立する必要があった。これはウエーハ上のチップを保持する金属スタックの厚さが20㎛を超え、薄型ウエーハの裏面のハンドリングと加工に影響するためである。また、ウエーハの反りやウエハの剥離のような技術的・生産的課題はウエーハの安定性と最高クラスの堅牢性を確保する後工程プロセスに影響を与える。同社は極薄ウエーハに導入されたプロセスは同社の既存の製造の専門知識の下に成り立つものであると説明。積み重ねてきた専門技術により、こうした課題を克服した。加えて、製造を複雑にせずに新しいテクノロジーを既存のSi製造ラインにシームレスに統合可能となるため、高い歩留まりおよび供給の安全性も実現するとしている。
同技術は同社のDC-DCコンバーターに採用され、既に最初の顧客に納入済みである。同社は今後、3~4年以内に低電圧電力変換器用の既存の従来型ウエーハ技術を代替することを期待している。
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