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GNCレター
米半導体大手、Micron Technologyは2月25日、1γnmプロセスを利用したDDR5 DRAMのサンプル出荷を開始したと発表した。既存の1βnm製品と比べて、最大15%の速度向上と20%以上の電力削減、30%以上のビット密度の向上を実現した。最初は16Gb DDR5 DRAMで活用され、その後に同社のメモリポートフォリオ全体に統合される予定。クラウドから産業用・民生用アプリケーション、AI PCやスマートフォン、自動車などのエッジAIデバイスに至るまで、将来のコンピューティングプラットフォームを強化することが期待される。
1γnmプロセスの技術革新は次世代のHigh-kメタルゲート技術、設計の最適化、微細化といったCMOSの進化によって支えられており、これらにより、消費電力削減と性能のスケーリングが可能となった。また、EUVリソグラフィや高アスペクト比エッチング、業界をリードする設計イノベーションなどを取り入れることにより、業界をリードするビット密度の優位性を実現した。
なお、EUVについては配線パターニングの一部にのみ利用し、ほとんどの部分はDUVのダブルパターニングで実施しているという。これによりノイズ耐性の向上などの性能を改善するとともにEUVにかかるコストについても最小限に抑えているという。
同社のエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高事業責任者のSumit Sadana氏は「Micronの1γ DRAM製品は、データセンターからエッジに至るまで、すべてのセグメントで拡張性の高いメモリソリューションを提供することで、AIエコシステムに革命をもたらし、当社の顧客が急速に進化する業界の需要に先んじることを可能にする」と大きな期待を示した。
1γnm製品は米Intelのサーバ及びAI PC向けなどにサンプル出荷が開始されている。同製品は広島工場で開発と製造が行われている。現在、同拠点にはEUV露光装置が導入されていないため、EUV露光だけを台湾工場で行う形でサンプル品の製造が行われているが、2026年からは広島でEUVを利用した量産が開始される予定である。
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