韓国・SK hynixは1月23日、2024年第4四半期(10~12月期)及び通期の決算を発表した。第4四半期の売上高は前期比12%増、前年同期比75%増の19兆7,670億ウォン(約2.1兆円)、営業利益は前期比15%増、前年同期比2,236%増の8兆828億ウォン(約8,800億円)となり、ともに過去最高を更新した。特に営業利益は同社と競合する韓国・サムスン電子の予想(6兆5,000億ウォン)を初めて上回った。

また、2024年通期の決算は、売上高が前年比102%増の66兆1,930億ウォン(約7.2兆円)、営業利益は前年の7兆7,303億ウォンの赤字から黒字に転換し、23兆4,673億ウォン(約2.55兆円)となり、ともに史上最高の実績となった。

同社はこの実績について、「AIメモリ半導体需要の強さが目立つ中、業界トップのHBM(広帯域幅メモリ)の技術力と収益性中心の経営を通し、史上最高の実績を達成した」と説明した。また、「第4四半期にも高い成長率を見せたHBMは全体のDRAMの売上の40%を占め、企業用SSD(eSSD, enterprise SSD)も販売を持続拡大した」とし、「差別化された製品競争力をもとにした収益性中心の経営により、安定的な財務状況を構築し、これを基盤に実績改善の気勢が続いた」と強調した。

同社は2024年、DRAMでは3月にHBM3Eの8段製品を、第4四半期には12段製品を業界で初めて供給し、HBMの年間の売上は前年比で4.5倍となった。また、NANDについてもeSSDの売上高が前年比で300%以上増加し、最大の売上高と営業利益を達成した。

なお、同社は2025年について、AIサーバーへの投資が拡大し、AI推論技術の重要性が高まり、高性能コンピューティングに必須であるHBMと大容量サーバーDRAMの需要が継続的に拡大すると展望した。特に、HBMについては、2025年の売上高が前年比2倍強になるとの見通しを示した。また、一部在庫調整が予想されるPC、スマートフォンについてもAI機能を搭載した機種の販売が拡大し、下半期には市場状況が改善されると見通した。