独Bosch社は2022年7月13日、数十億ユーロを半導体事業の強化に投じると発表した。「IPCEIマイクロエレクトロニクスおよび通信技術」プログラム(欧州共通利益に関する重要プロジェクト、以下IPCEIプログラム)の一環として、2026年までに半導体事業に30億ユーロを投資する予定。
投資の一環として、総額1億7,000万ユーロ超を投じて、ドイツReutlingen、Dresdenにそれぞれ新しい研究開発センタを建設する。さらに2023年にはDresdenのウエハ製造工場(前工程工場)に2億5,000万ユーロを投じて、3,000m²のクリーンルームを増設する。同工場にはこれまでに10億ユーロを投じており、2021年6月から稼働を開始している。
IPCEIプログラムは、2030年までに世界の半導体生産に占める欧州の割合を10%から20%に倍増させることを目的としている。このため同プログラムは自動車向けなど欧州産業における特定ニーズに応えるためのチップ生産の強化を目標に、40〜200nmのプロセスノードに対応する生産能力の増強を進める。同社のDresden工場はこのために設計されている。同工場では300mmウエハによるMEMSセンサの製造も計画しており、2026年から生産開始を予定している。。
Reutlingen工場では2021年末からSiCデバイスの製造を開始している。同デバイス生産はフル稼働が続いているとしている。同工場には2025年までに約4億ユーロを投じて、3,600m²のクリーンルームを増設、同工場全体のクリーンルームスペースを3万5,000m²から4万4,000m²に拡張する計画である。