米半導体大手、Intelは6月18日、3nm相当のプロセスである「Intel 3」での大量生産を開始したと明らかにした。同社は2021年から、4年間で5つのプロセスノードを開発する「5N4Y」という目標を掲げており、既に「Intel 7」と「Intel 4」については大量生産を開始していた。「Intel 3」については対応する製造ラインを米オレゴン州とアイルランドの工場に配備し、2023年末までにテスト生産を終え、量産開始。今回、両工場での大量生産開始に至ったということである。

Intelの発表によれば、「Intel 3」で製造されたチップは「Intel 4」のチップと比較し、消費電力当たりの処理性能が18%向上し、密度も最大10%向上させられる。この性能向上は1世代分の進化に相当する。2024年6月より順次製品が登場するサーバー向けCPU「Xeon 6」シリーズの高効率コア、高性能コアに初めて採用された。

また、「Intel 3」はリスクを軽減し、一貫した実行を可能にするため、派生ノードが次の3種類用意されている。

「Intel 3-T」:複数の演算コンポーネントやメモリコンポーネントを一体化しやすいように、ダイ同士を3Dスタッキングで直結できる貫通ビアを設置(クライアント/サーバー向けCPUでの利用を想定)

「Intel 3-E」:外部インタフェースやアナログ/ミックス信号の入出力セットを増設(チップセットやストレージ向け半導体での利用を想定)

「Intel 3-PT」:「Intel 3-T」と「Intel 3-E」の両方の特徴を具備(AI/HPC向け統合型プロセッサなどでの利用を想定)

「Intel 3」は「5N4Y」の目標の3番目。同社は今後1年間でさらに微細なプロセスとなる「Intel 20A」、「Intel 18A」プロセスを投入し、RibbonFET(ナノシート)技術を用いるとしている。

出典:Intel Process Technology