オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLは2024年1月から中国への高性能半導体製造装置の輸出が禁止されるが、この措置が発動される数週間前にバイデン米政権からの要請を受け、前倒しで出荷を停止した。

米国は2019年にEUV露光装置の輸出を禁止しており、DUV露光装置に関しても、米は以前より輸出制限をするように働きかけていた。この働きの結果として、オランダ政府は中国への輸出規制を強化し、2024年1月からDUV露光装置の輸出が禁止されることになっていた。

オランダに本社を置くASMLは露光装置の最大手として、オランダの新規制が完全に発行する2024年1月まで、3種類のDUV露光装置を中国企業に出荷するライセンスを持っていた。しかし、米当局がASMLに接触し、中国顧客への一部装置の出荷を直ちに停止するよう要請したという。一方、中国企業からは同社に対し、制限がかかる前の駆け込み需要で大量の注文が入っていたことも明らかになっている。同社は1月1日に発表した声明で、オランダ政府が最近、DUV露光装置の輸出許可を一部取り消し、これにより、中国の少数の顧客に影響が出たとしているものの、具体的な台数まではわかっていない。

なお、中国の王文濤商務相は1月11日に米・レモンド商務長官と電話会談を行い、米国がASMLに一部のDUV露光装置の対中輸出停止を早めるように圧力をかけたとし、「重大な懸念」を表明した。中国では最近、米中対立を背景に半導体産業の国産化を目指して研究開発が進められているが、これらの先端露光装置については未だ国産化できていないため、輸入が禁止されることで、自国での先端半導体の研究開発には大きなハンデを背負うことになるとみられる。