米Hemlock Semiconductor(HSC)は10月21日、半導体に使用する超高純度多結晶シリコン(ポリシリコン)を生産する新工場建設のため、米政府から3億2,500万ドルの助成金を受けることを発表した。バイデン政権による半導体産業の国内回帰政策であるCHIPS法によるもの。

同社は半導体デバイスやソーラーパネル、モジュールに使用される超高純度多結晶シリコンのトップサプライヤー。1961年に創業し、現在は米Corning Incorporatedと信越半導体の傘下となっている。

新工場はミシガン州ヘムロックにあるHSCのキャンパス内に建設され、半導体グレードのポリシリコンの生産能力向上と高純度化に注力する。また、新たに180名近くの従業員と1,000名以上の建設従事者が雇用される見込みである。新工場の敷地面積や建設総額、建設時期及び稼働開始時期などは明らかになっていない。

HSCの会長兼CEO(最高経営責任者)であるAB Ghosh氏は今回の助成金について、「HSC だけでなく、ミシガン州と我が国にとって記念すべき成果だ」としたうえ、この助成金により、同社は「最先端の半導体市場のトップサプライヤーとしての地位を確保し、国家安全保障を強化する、一世代に一度の投資を計画することができる」と述べ、助成金受給の意義を強調した。

また、地元選出のKildee下院議員は今回の新工場建設により、「何百もの高給の地元雇用が創出され、海外ではなくミシガン州で製造が行われるようになる」とし、同社が「米国の半導体およびポリシリコン製造業の復活の重要な部分であり、今後何年にもわたって経済成長と競争力の強化に貢献するだろう」と、新工場への大きな期待感を示した。