半導体受託製造最大手、台湾・TSMCは6月7日、2024年5月の業績を発表した。これによると、売上高は前月比2.7%減、前年同月比30.1%増の2,296億2,000万台湾ドルとなった。

月単位で先月よりはマイナスになったものの、生成AI(人工知能)を扱うデータセンターのサーバー向けなどに先端半導体の販売好調が継続しており、同社の売上高は前年同月比で5カ月連続のプラスを記録し、5月の売上高としては過去最高となった。また、1月からの累計では、前年同期比27.0%増の1兆582億9,000万台湾ドルとなり、好調が継続している。

同社の会長兼最高経営責任者(CEO)である魏哲家氏は、人工知能(AI)向け需要が今後ますます拡大するとともに、今後はAI技術の普及がさらに進むことで2024年の半導体市場の回復をけん引するという認識を示した。同社はAI開発に必要不可欠なHBMを米NVIDIAから独占的に生産受託をしているため、AI需要拡大に伴う更なる成長が見込まれている。

TSMCが6月4日に開いた定時株主総会では、2024年12月期の売上高が前年比で20%から半ばの増収になる見通しを据え置いた。これは約10%と同社が予想する世界の半導体全体の成長予想率を上回るものであり、同社の期待は非常に高いものとなっている。

出典:TSMC ニュースリリース