米Applied Materials(AMAT)社は2021年3月17日、新しい光学式パターン付きウエハ欠陥検査装置「Enligh」とビッグデータとAIに基づくプロセスコントロール技術を発表した。

 Enlightは、業界トップクラスの処理速度と高解像度、先進的光学機器を組み合わせ、歩留りに影響を及ぼすデータを1回のスキャンでより多く収集できるようになっている。
Enlightの光学検査アーキテクチャは経済性が高く、致命的欠陥の検出コストは他の方式の3分の1に抑えられている。この劇的なコスト改善により、ユーザはプロセスフロー中により多くの検査ポイントを挿入することができるようになる。その結果、得られたビッグデータを利用して、生産ラインの「ラインモニタリング」を改善することができる。
統計的プロセスコントロール手法を使って歩留り変動を発生前に予見することや、変動を早期に検出して直ちにウエハ処理を止めて歩留り低下を防ぐことができるほか、原因を突き止め迅速に修正して量産再開を早めることも可能になる。
また、新たに開発されたExtractAIテクノロジーは、ウエハ検査における最も困難な問題を解決する。ハイエンドの光学スキャナによって生成される何百万ものニューサンス信号やノイズの中から、歩留りを低下させる欠陥を迅速かつ正確に区別することができる。ExtractAIは、光学検査システムによって生成されたビッグデータと、推論に基づいて特定の歩留り影響の欠陥を分類する電子ビームレビューシステムとの間をリアルタイムでリンクできる業界唯一のソリューションとなっている。
その情報を元に 、Enlightシステムは歩留り低下の原因とノイズを区別してウエハマップ上の全ての信号を解析する。ExtractAIテクノロジーは、効率性が高く、サンプルの0.001%をレビューするだけでウエハマップ上のあらゆる欠陥候補を明らかにすることができる。その結果、欠陥分類を伴う実用的なウェーハマップが得られ、半導体ノードの開発、立ち上げ、歩留まり改善の促進につながる。AI技術は適応性が高く、量産中にも素早く新しい欠陥を識別できるほか、スキャンするウエハ枚数が増えるほどパフォーマンスと効率が向上する。