ジャパンディスプレイ(JDI)は2021年9月24日、ろう者・難聴者やご高齢の方々など音が聞こえづらい人とのコミュニケーションを円滑にするためのツールとなる透明ディスプレイモニタ「Ralclear(レルクリア)」を開発したことを発表した。


Ralclearはバックライト、偏光板がなくても表示が可能な液晶ディスプレイを核にしたモニタシステムである。ディスプレイの透明度は84%に達し、更に画素が全面にわたって発光することから、視野角が無くなり、どの角度からもはっきりと見ることができる。この液晶ディスプレイに電源や駆動回路、HDMIインターフェイスと組み合わせてモニタセットを構成している。
Ralclearを対面する人との間に設置し、文字起こしシステムを起動させ、対面者へ話しかけると、マイクからPCへ入力された音声がテキスト化され、セカンドモニタであるRalcleaに表示される(裏からディスプレイを見た場合、文字は反転する)。
Ralclearはディスプレイが透明であるため、話しているときの表情を見ながら文字化された会話内容を読むことができ、聞き手の理解度が向上する。さらにこのシステムは、同一言語同士の会話だけでなく多言語間の翻訳機能も備えており、あらゆる対面コミュニケーションに適している。このシステムは「See-Through Captions」と呼ばれ、筑波大学デジタルネイチャー研究室 落合陽一准教授ら研究グループとJDIが共同で開発したもの。
また、「Ralclear」の製品化に向けて、同日から株式会社マクアケが運営する応援購入サービス「Makuake」にて購入型クラウドファンディングを開始している。同プロジェクトは2021年11月24日(水)までに目標金額390万円を目指している。支援者には、リターンとして「Ralclear」発送する予定となっている。