米国の複数メディアが、ファウンドリ世界最大手であるTSMCが、米アリゾナ州に新たに半導体工場を建設するため、100億ドル規模で投資を準備していることを報じた。今後、関係筋によると数ヶ月以内にフェニックスに先端半導体工場の建設を発表する見通しであるという。
TSMCは2020年に120億を投じてアリゾナ州への半導体工場建設プロジェクトを発表したが、今回建設が検討されている工場も、2020年のプロジェクトと同規模になる見通し。

最初のアリゾナ工場は現在、設備や装置の搬入、備え付けが行われているとされており、今後2024年第一四半期の稼働を目指しているとされる。TSMCと米国にとっては中国による台湾侵攻リスクが、ロシアとウクライナが衝突したことにより高まっており、地政学リスクを回避する上での決断との見方も強い。ニューヨーク証券取引所におけるTSMCの株価は年初に今年最高値である139億ドルを付けた後、ロシアとウクライナのリスクが浮上して以降、みるみる下降していき10月には業績好調にも関わらず60.95ドルと今年最安値を記録した。しかし、この報道が報じられて以降、同社の株価は74ドルまで値を戻しており、第二工場の建設予定は投資家からも歓迎されているようだ。