ニコンは2021年2月17日、総画素数約1784万画素の積層型CMOSイメージセンサを開発、2021年2月15日から米国サンフランシスコで開催されているISSCC(国際固体素子回路会議)において発表した。


今回開発したセンサは、2.7μm×2.7μmの画素サイズに対応可能な微細ピッチの積層接続技術を採用したことで、撮像素子のあるトップチップをボトムチップのロジック回路から直接制御可能とし、1型のセンササイズながら、4K×4K画素の高解像度で110dBの広ダイナミックレンジかつ秒1,000コマの高速撮影を実現した。高速読み出しにより、秒最大1000コマのスーパースローモーションの撮影が可能となっている。
また、秒60コマの撮影であれば、134dBの広ダイナミックレンジを実現する。
トップチップは、16×16ピクセルを1ブロックとし、1画面に264×264ブロック(4,224×4,224ピクセル)が分割配置されている。これらのブロックをボトムチップから画面内の領域ごとに露出時間を細かくコントロールすることを可能にしている。


この機能によって広いダイナミックレンジを表現することができ、明暗差の大きな被写体も、暗部が潰れたり明部が露出オーバーになることなく、画面全体を明瞭に撮影することができる。(下写真)


製造プロセスは65nm BSI+65nm CMOS 積層プロセス。

ニコンは、デジタルカメラやスマートフォンといった映像分野のみならず、自動車などさまざまな産業分野において、小型・軽量、高フレームレート、広ダイナミックレンジ、高解像の全てを実現するイメージセンサーが求められているとし、今回のイメージセンサはそれに対する一つの回答と言える。

ニコンにとってイメージセンサーの技術開発は、映像業界をリードする為に不可欠であり、今後も市場の要望を踏まえてセンサーの研究開発を継続するとしている。