長崎大学は12月1日、半導体や応用デバイス分野で活躍する人材を育成する「マイクロデバイス総合研究センター」の開所式を行った。

長崎では現在、ソニーグループの工場拡張や京セラの新工場建設などの大型投資が相次いでおり、技術者の確保が急務となっている。開所式で永安武学長は、「長崎県が半導体関連産業の人材育成に力を入れている中で長崎大学として何ができるか考えた結果が、センターの設立だ。人材育成に注力していくとともに、センターをさまざまな形で活用してほしい」と挨拶した。

同センターには教育に関わる「半導体エキスパート部門」と研究に関わる「マイクロデバイス設計・製造・活用研究部門」が設置される。「半導体エキスパート部門」では、現役エンジニアを非常勤講師として招き、半導体のプログラミングや回路を学ぶ講義などを行う。また、将来的には地域人材のリスキリングの場となることも計画されている。「マイクロデバイス設計・製造・活用研究部門」では、半導体やそれをとりまくセンサ,バッテリ,コンデンサ,磁性材料・磁気部品,アンテナ等を含む電子部品・電子素材の設計技術や製造技術、活用技術について、学内外との協業を積極的にマネジメントしていく。

また、同センターでは企業名を冠した研究用ラボの誘致を進めることにより、人材育成と研究開発の両面で、大学と企業をつなぐ拠点となる。県内の様々な関連企業を同センターが仲介役となって呼び込むことで、企業と連携した研究を支援するとともに学生の就職にもつなげようという計画である。

大島多美子センター長は、「学生、企業、大学それぞれがいい関係を築き、半導体産業や社会に貢献できるセンターにしていきたい」と意気込みを述べた。