韓国の半導体材料メーカーのSKCは7月7日、5千億ウォン(約550億円)以上の額を投資し、半導体テストソリューション企業のISCを買収すると発表した。同社はこれにより、後工程分野の素材・部品事業を大幅に拡大する計画である。

SKCは半導体向けのディスペンサーやボンダ―の専業メーカーであり、主力のディスペンサーは1998年に韓国で初めて国産化に成功し、現在は半導体とプリント基板の部品メーカーからスマートフォンの完成品メーカーまで、世界100社余りが同社のディスペンサーを採用している。

また、ISCは2003年にシリコンラバー素材を活用したテストソケットを世界で初めて商用化し、現在でも50%以上のシェアを占め、世界トップとなっている。また、その他にも、銅合金素材のポゴソケットやバーンインテスト用ソケット、インターフェースボード等、様々なテストソリューションを保有している。

SKCはISCを半導体素材・部品事業のプラットフォームとして活用する予定である。そのために、今後は既存事業拡大のための投資に加え、追加のM&Aも実施する計画である。

なお、同社は現在、子会社のSKエンパルスを通し、前工程材料であるCMPパッドとマスクブランクスを保有しているとともに、同じく子会社のアブソリックスを通し、ガラス基板の事業化を推進中である。ここにテストソリューションを加えることで、半導体前・後工程の高付加価値商品のラインナップを同時に所有する素材・部品ソリューション企業としての定着を図る構えである。