SUMCOは2月7日、同社子会社のSUMCO TECHXIVが宮崎工場で手掛ける200mm以下の小口径ウエーハの生産を2026年末に終了し、国内他工場やインドネシアの工場に移管すると発表した。

発表によれば、半導体シリコンウエーハのうち、300mmウエーハは半導体の生産調整が長期化し、顧客の在庫適正化に時間がかかっているものの、AI(人工知能)やHBM(高帯域幅メモリ)をはじめとした高性能メモリ向けなどの先端品需要が好調で、全体として緩やかな回復が見込まれる。一方、8インチ以下のウエーハについては、民生・産業・自動車向けを中心とした需要の低迷が続いているほか、特に6インチ以下の製造ラインについては、生産設備の老朽化や8インチへの移行により、顧客の生産能力の縮小が進み、需要は今後も減少し続ける見通しとのことである。

同社はこうした市場環境の変化を踏まえ、同社グループの小口径品の再編を行い、事業の効率化を図ることを決定した。宮崎工場は8インチ以下ウエーハの生産終了後、単結晶インゴットの生産に特化する。また、再編の対象となる従業員については、300mm事業の要員へと配置の転換を図る。

同社の橋本真幸会長兼最高経営責任者は、8インチウエーハに関して、一部を除いて中国との価格競争に陥っているほか、 EV(電気自動車)の需要も減速していることにより、「昔のように伸びなくなった」とした。また、今年後半に需要が少し回復するとの観測もあるが、「回復したとしても6~7割」に留まるとの見方を示し、供給過多になる可能性も指摘した。

小口径ウエーハでは独シリコンウエーハ大手のSiltronicが2024年3月に6インチ以下のシリコンウエーハ生産から撤退する事を発表しており、今後も各社で減産する動きが継続すると見られている。