韓国のSamsung Electronicsは7月7日発表の暫定集計で、4月~6月(第2四半期)の売上高は前年同期比22.3%減の60兆ウォンとなり、市場予想と比較し、大幅な落ち込みとなった。営業利益は前年同時期比95.7%減の6,000億ウォンとなり、リーマンショックが発生した2008年以降では最低の水準となった。第1四半期に引き続き、昨年から続くメモリ半導体市場の停滞の影響を大きく受けたものと見られる。ただし、営業利益については当初の市場予想である2,000億ウォンを上回っており、第3四半期以降の実績回復が期待される。

半導体部門では、3兆ウォン台の赤字となったものと推定される。引き続き大きな赤字ではあるが、第1四半期の半導体部門の営業損失が4兆5,800億ウォンであったため、大幅に改善されたものと思われる。メモリ半導体の価格下落が鈍化し、DDR5や高帯域幅メモリ(HBM)などの高付加価値メモリ半導体の出荷量が増加したことが赤字改善の要因とみられる。

一方で、第3四半期以降の実績については概ね肯定的な展望が優勢である。4月~6月がメモリ半導体における同社の利益の底であったという見方が強く、メモリの値下がりが鈍化しているのに加え、同社は4月以降、メモリ半導体の減産を行っているため、その効果が第3四半期以降に本格的に現れることが予測される。ただし、実績改善の速度については慎重な見方があり、サーバー、モバイル、PC等の前方産業の景気回復が最大の鍵であるとみられる。