住友電気工業は7月27日、富山県高岡市に電気自動車(EV)向けパワー半導体材料の新工場を建設すると明らかにした。兵庫県の伊丹製作所に新設する生産ラインと合わせ、計約300億円を投じ、2027年10月の出荷を予定している。

新工場で生産するのは直径6インチサイズのSiCウエハ。同社はSiCウエハについて、これまではサンプル出荷にとどまっていたが、自動車の電動化による需要増加に対応するため、量産することとした。基板に成膜加工を施したエピタキシャルウエハの技術を用い、伊丹製作所の生産ラインと合わせて年間12万枚を生産できる体制を整える予定である。

なお、SiCウエハは、生産性向上の観点から、今後は既存の6インチから8インチへの移行が本格化するとされている。同社も生産動向及び需要動向に注目し、今後は8インチウエハの量産も視野に入れていく見込みである。