ロームの独子会社でSiCウエハを手掛けるSiCrystalは7月4日、独・ニュルンベルクにSiCウエハを製造する新棟の起工式を行ったと発表した。2026年初旬の完成を見込む。投資額は非公表となっている。

立地はニュルンベルク北東部の既存製造施設の向かいで、6,000平方メートルの生産スペースとSiCウエハの生産を最適化する最先端技術が導入される見込み。同社は「既存施設に近接することで生産工程の緊密な統合が保証される」としている。

今回の新棟建設は電気自動車(EV)や太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー、産業機器など様々な分野において、電力変換効率の良いSiCの需要が高まることを見越してのもの。新棟が稼働することにより、2027年には同社全体の生産能力は2024年の3倍になる予定である。また、同地域の雇用の創出も可能となり、2028年期に100名以上を雇用することを目標としている。

同社COOのErwin Schmitt氏は新棟の建設について、「生産能力の増強により、市場での地位を強化し、半導体業界の技術開発に重要な貢献をする」と述べた。