GNC letter
GNCレター
日本製鋼所(JSW)と三菱ケミカルホールディングスは、共同でGaN単結晶基板の量産実証設備を日本製鋼所M&E株式会社室蘭製作所内に建設、2021年5月18日に竣工した。同年6月から100mm径(4インチ)のGaN単結晶量産に向けて実証実験を開始、2022年初頭からの開始を計画している。三菱ケミカルが製造した窒化ガリウム基板の結晶を日本製鋼所の大型圧力容器で成長させ、素材を厚くする。日本製鋼所の大型容器の製造技術と、三菱ケミカルHDのGaN基板の素材ノウハウを生かす。 両社は2017年に、室蘭製作所内に建設したパイロット設備において、透明で結晶欠陥が非常に少ないGaN基板の低コスト製造技術の開発に成功し、100mmサイズの結晶成長も確認した。これは三菱ケミカルが開発した独自の液相成長法(SCAAT)をベースに両社で新開発した「SCAAT-LP」を利用している。「SCAAT-LP」は従来のSCAATの約半分の圧力条件となる低圧酸性アオモノサーマル技術を利用した量産を目指した新しい製造技術。 パイロット設備は総面積266m²。大型圧力容器、加熱ヒータ・制御装置、アンモニア供給設備、高純度ガス供給設備などが組み込まれている。今回導入した大型圧力容器では一度に数百枚同時に生産できる。年間6回程度稼働させれば1,000枚規模で量産できる。 両社は今回の実証実験を踏まえ、GaN基板の安定供給を構築するとともに、150mm(6インチ)基板の開発にも取り組んでいく。 2023年度には100mmウェーハの量産化を目指している。さらに2030年度には数十億円規模のビジネスにまで育てていく計画である。
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