シャープの子会社で、液晶ディスプレイの製造開発を手掛ける、堺ディスプレイプロダクト(SDP)は2020年11月27日、11月26日付けで液晶パネル(LCD)用ガラスの調達を巡り、米Corning社の日本法人に対し違反行為の差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てた。Corningが契約に反していると主張している。

主張の内容は以下の通りとなる。

(1)SDPはLCDに使うガラスの全量をCorningの堺市の工場から調達している。両社の契約では、Corningは生産能力が余った場合のみ第三者に販売できるとしているが、CorningはSDPが求める出荷量に応えず、SDP以外の液晶パネルメーカーに出荷している。

(2)Corningが生産するガラスサイズも契約に違反するとしている。Corningは工場の土地と建屋をそれぞれシャープとSDPから借りおり、賃貸借契約では事前に定めたものと異なるガラスを生産する場合は書面での合意が必要。SDPによるとCorningは合意なしに特定サイズ以外を製造し、中国企業などに供給している。

この件に対してコーニングは「法的通知や文書を受け取っておらず、実際に訴訟が提起されたことを確認することもできない」とした。更にコーニングは「過去数年にわたってSDPと協力して、SDPがコーニングに対する契約上の購入コミットメントを履行できないことに対処してきた」とも言及している。