中国商務省は、ガリウムやゲルマニウムといった鉱物資源を、2023年8月1日から輸出規制を実施することを発表した。中国の輸出管理法に基づく措置で、当局の許可を得られないと輸出することは出来ない。中国商務省によると、8種類のガリウム関連製品(アンチモン化ガリウム、ヒ化ガリウム、金属ガリウム、窒化ガリウム、酸化ガリウム、リン化ガリウム、セレン化ガリウム、ヒ化インジウムガリウム)、6種類のゲルマニウム製品(二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムエピタキシャル成長基板、ゲルマニウムインゴット、ゲルマニウム金属、四塩化ゲルマニウム、リン化ゲルマニウム亜鉛)が規制の対象になる。

ガリウムは近年、本格的に採用が進んでいるGaN基板の原材料や、現在GaN基板を製造している主要企業は、住友電気工業、三菱ケミカル、住友化学(サイオクス)などが参入しており、上記3社でシェアの大半を占めている。他にも化合物半導体基板として用いられるGaAs(ガリウムヒ素)や酸化ガリウムに用いられている。

ガリウム鉱石の日本への供給動向は、60%以上を中国が占めると見られており、(再生地銀を入れると中国への依存度は40%にまで減少する。)次いでロシアが7%程度と見られ、日本の自給率は(再生地銀を除くと)わずか3%に過ぎないため、今後の影響が懸念される。