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メモリ大手、韓SK hynixは2025年8月25日、321層QLC NANDフラッシュメモリの開発を完了し、世界で初めて量産に突入すると発表した。同製品は現存するNANDフラッシュ製品の中で最高の集積度を誇る。AIサーバー向けのDRAM「HBM」のトップシェアを占める同社が、NANDフラッシュの分野でも攻勢を強める。
同社は同製品について、「製品の原価競争力での優位性を最大化するため、容量を既存の製品に比べて2倍に増加した2Tbで開発した」と明らかにした。一般的にNANDは容量が大きくなればなるほど、1つのセルにより多くの情報を記憶することになり、データ処理速度が遅くなるが、同社はセルと周辺部の回路であるプレーン(Plane)を4個から6個に増やすことで、より多くの並列作業を可能とした。その結果、同製品は大容量であるとともに以前のQLC製品に比べ、性能を大きく向上させることに成功したという。具体的には、データ転送速度は100%向上し、書き込み性能は最大56%、読み込み性能は18%改善されたという。これにより、低電力が要求されるAIデータセンターなどの分野での競争力を確保したとしている。
販売戦略として、同社はまず、PC用SSDに同製品を適用した後、データセンター用eSSDとスマートフォン用のUFS製品に適用領域を拡大していく計画である。その後、NANDを32個積層する同社独自のパッケージ技術を駆使して、既存製品に比べ2倍の集積度を具現化し、AIサーバー用の超大容量eSSDの市場での競争力強化に繋げていく方針である。
同社のチョン・ウピョ副社長(NAND開発担当)は、「今回の製品の量産突入により、大容量製品のポートフォリオを大幅に強化し、価格競争力まで確保することとなった」とし、「爆発的に成長するAIの需要とデータセンター市場の高性能化の要求に応え、フルスタックAIメモリプロバイダとしてさらに大きな飛躍を遂げる」と自信を示した。
同製品は今後、顧客の認証を経て、2026年の上半期から市場に投入される見込みである。
出典:SK Hynix NEWS ROOM
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