米Intelは8月1日、2024年第2四半期(4~6月)の決算を発表した。売上高は前期比1%増、前年同期比1%減の128億3,300万ドル(約1兆9,100億円)、最終的な損益は16億1,000万ドル(約2,400億円)の赤字となった。四半期決算の最終赤字は2期連続。

部門別の売上を見ると、PC向けが前年同期比9%増の74億ドルと改善傾向にある一方、データセンター向けが同3%減の30億ドルと振るわなかった。AI半導体事業では米NVIDIAが圧倒的なシェアを誇る他、米Advanced Micro Devices(AMD)も4~6月期の売上高を2.2倍に伸ばしており、Intelは他社から大きく後れをとっている。また、同社が力を入れているファウンドリ事業は売上高が前年同期比4%増の43億ドルと改善がみられるものの、営業損益は依然28億3,000万ドルの赤字となっており、業績を圧迫した。

こうした不振を受け、Intelはコスト削減計画を発表。2024年末までに従業員の15%にあたる1万5,000人の人員を削減するとした。同社の2023年の売上高が2020年比で3割減った一方で、従業員数は2020年から1割増加しており、高コスト体質になっていた。また、人員削減に加え、設備投資の削減と配当の停止なども進め、100億ドルのコスト削減を実施する。同社のPat Gelsinger CEOは同日、「私のキャリアの中で最も難しい決断だった」と、全社員宛てに書簡でコスト削減の実施を通達した。

また、Gelsinger CEOは、「2024年第2四半期の業績は、主要な製品およびプロセス技術のマイルストーンを達成したが、満足できるものではなかった」とし、「AIのような強力なトレンドから十分に恩恵を受けていないため、当社の収益は期待通りに伸びていない」と述べた。

同社は第3四半期(7~9月期)に最新のAI半導体「Intel Gaudi 3」を投入する。これはNVIDIAの「H100」よりも高性能であるとしており、どこまで巻き返すことが出来るのか注目である。