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GNCレター
メモリ大手、韓SK hynixは2025年8月28日、業界初のHigh-K EMC(Epoxy Molding Compound)素材を適用した高放熱モバイルDRAM製品を開発し、顧客への供給を開始したと発表した。
最新のスマートフォンでは、モバイルアプリケーションプロセッサ(AP)の上にDRAMを積層するPoP(Package on Package)方式が適用されている。この方式は各々異なる種類の半導体パッケージを上下に積層することで、限られた空間を効率的に活用し、データ処理速度を向上させられるメリットがある。一方で、同時にモバイルAPから発生する熱がDRAMの内部に累積し、全体的なスマートフォン性能の低下もともに引き起こすという課題がある。近年、韓 Samsung Electronics、米Appleなどの最新スマートフォンには端末自体でAI演算を行うことができる「オンデバイスAI」が搭載されており、データの高速処理による発熱が問題となっていた。
同社は発熱問題を解決するため、DRAMパッケージを覆う核心素材であるEMCの熱伝導性能の向上に着手。既存のEMCの素材として使用されてきたシリカにアルミナを混合適用した新素材であるHigh-K EMCを開発した。
同素材を使用することで、熱伝導率を既存に比べて3.5倍水準に大幅に向上させることに成功し、その結果、熱が垂直に移動する経路の熱抵抗を47%改善したという。同社は向上した放熱性能はスマートフォンの性能改善と消費電力の低減を通してバッテリーの持続時間や製品自体の寿命の向上にも寄与するため、モバイル業界からの関心と需要の増加を見込んでいるという。
同社のイ・キュジェ副社長(PKG製品開発担当)は「今回の製品は単純な性能向上を超え、高性能スマートフォンの使用者が経験する不便さの解消に寄与するという点で大きな意味がある」と、新製品の開発の意義を強調した。
出典:SK Hynix NEWS ROOM
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