6月24日、動画投稿アプリ「TikTok」を運営する中国・ByteDanceが半導体設計を手掛ける米・Broadcomと共同で先進的なAI向け半導体プロセッサーを開発していることが明らかになった。5nmの特定用途向け集積回路(ASIC)を開発しており、台湾・TSMCに製造を委託する予定である。

2022年に米国政府が中国に対し先端半導体関連の輸出規制を敷いてから、5nm以降のプロセスにおける米中両国企業間の半導体開発協力は公表されていない。そんな中で、大手2社による協業は異例となる。なお、この協業は米輸出規制には抵触しないという。

ByteDanceは中国版の「ChatGPT」ともいえる「Doubao」を始めとする生成AIの開発に力を入れている。Broadcomは既にByteDanceのデータセンターで使用する7nmのAIプロセッサーを供給しているが、今後の微細化半導体の安定供給に向けて、5nmの共同開発を決めた。ロイターによれば、5nmのASICについて、現状はまだ設計段階にあり、TSMCもこのチップについて今年中の製造開始の予定はないとのことである。

両社の関係者はこの件について何も回答せず、TSMC側もコメントを避けた。