三菱電機は2021年6月3日、今後の2025年を目標とした中期経営計画を発表した。同計画では、2025年度で売上高5兆円、営業利益率10%、ROE10%、5年間での現金創出(Cash Generation)を目標としている。そのために、5年間で1.2兆円の投資、1.1兆円の研究開発費、さらにM&Aを含む戦略投資に5,000億円を計画している。
成長事業の一つとしてパワーデバイス、コアコンポ—ネントの一つとしてIGBT、SiCを挙げている。パワーデバイスの売上高を、2020年度実績の1,500億円から2025年度には2,400億円にまで拡大することを目標としている。パワーデバイスを中心とする電子デバイス事業についても2021年度の2,400億円から3,000億円への拡大を計画している。
パワーデバイスについては、電動化が進む自動車分野と、省エネのためのインバータ化が進む民生分野に注力する。自動車分野では、豊富な実績、高効率/小型化などのトップクラスの技術力も活かし、得意とするIGBTやSiCを展開することにより、製品ラインアップを強化していく。民生分野では業界トップシェアのIPM(Intelligent PowerModule)で低損失の強みを活かし、大容量から小容量まで更なる高機能化と製品ラインアップを充実させる。
今後はさらに小型化、高速動作、高温動作に適したSiCの開発を強化し、より省エネ性に優れた製品を提供を進める。