台湾の半導体ファウンドリ最大手、TSMCがかねてから報道されている日本への材料開発センターの設立を、茨城県つくば市に設ける方向で最終調整に入っていると日本経済新聞が報じている。投資額は200億円程度と見られる。

新拠点では、後工程向け材料を中心に開発するとされ、生産ライン設置も検討されているとされる。

TSMCではロジックの先端プロセスだけではなく、パッケージ開発においても力を入れている。近年では、2016年よりAppleのiPhoneプロセッサ向けに採用されている、再配線層をチップの外に出す、FOWLP技術の「InFO」を開発しており、小型化と高い信頼性を持つSoCを実現させている。「InFO」がiPhoneに採用されたこともあり、近年市場が拡大するFOWLP市場では、TSMCがトップシェアを誇る。
日本企業では、後工程向けの製造装置、材料においても高い技術力を持ち、装置ではディスコを始め、Pick&Placeの芝浦メカトロニクス、モールディングのアピックヤマダ、TOWA、仮固定テープのレーザー剥離装置のタツモ、材料ではモールディング材のナガセケムテックスや、RDL絶縁膜の旭化成など、TSMCを支える企業が多数存在し、今後も世界のトップ技術を維持していくために、より密接に日本企業との関係性を築く必要があると判断したと見られる。

出典:FOWLP/FOPLP/先端パッケージ市場分析