ダイシング/バックグラインディング装置最大手のディスコは、現在次世代の電源用パワー半導体として注目されているGaNウエハの生産に最適なインゴットスライスプロセスを開発したことを発表した。
従来、GaNインゴットをウェーハ状にスライスする方法としてはダイヤモンドワイヤソーが主流だった。しかしワイヤソーでのスライスは、加工時間、ワイヤの太さ同等以上に発生する切断部分の材料損失、切断後の表面平坦化を目的としたラップ研削時の材料損失によるウェーハ取り枚数の少なさなど、複数の課題があったという。これらはGaNウエハのコスト高の原因となっており、GaNパワーデバイス普及の妨げとなっていた。
ディスコでは、SiC(炭化ケイ素)ウエハ生産向けに開発していた、レーザー照射によるウエハ剥離プロセスをGaNにも応用したいという顧客の要望に応じて、今回の量産化技術としての発表に至った 。

プロセスの流れは下図の通り。

レーザー照射によって、任意の深さに変質した層を作り、この作成した層から材料を剥離させ、剥離させたウエハを指定厚へ仕上げ研削を行う。

このプロセスによって、1インゴットからのウエハ取り枚数は11枚と、従来から37.5%も増加した。また、1時間あたりのウエハ生産枚数は、レーザ:8分/枚 剥離:8分/枚と16分で加工を終えることから、今回のプロセスでは6枚となり従来の1枚から6倍に増加した。

ディスコではテストカットや有償加工を本社やR&Dセンターにて受け付けているという。