ベルギーの半導体研究開発機関、imecは2025年10月15日、同機関が主催する車載チップレットプログラム(ACP)に米GlobalFoundries、独Infineon Technologies、新Silicon Box、新STATS ChipPAC、日本の自動運転技術開発企業TIER IVが参加すると発表した。

高度運転システム(ADAS)、自動運転、没入型車載インフォテインメントなどの普及により、車載半導体においても先端パッケージング技術が要求されている。特にチップレットアーキテクチャはスケーラブルで柔軟かつコスト効率に優れており、ソフトウェア定義型車両に最適であるとされる。

ACPは自動車および半導体業界の主要なステークホルダーを結集し、チップレットアーキテクチャとパッケージング技術の開発・標準化を進める非競争型の研究プラットフォーム。2024年に成立し、英arm、台ASE、独BMW、独BOSCH、米Cadenceなど、大手自動車メーカーや半導体メーカー、EDA(電子自動設計)ベンダーなどが発足時のメンバーとして名を連ねる。

GFの自動車市場担当バイスプレジデントであるSudipto Bose氏は「imecのACPへの参加は、安全でコネクテッドかつ自律的な次世代車両に向けた差別化された技術ソリューションによって自動車エレクトロニクスのイノベーションを実現するという当社の使命と一致する」とし、「当社の深い製造専門知識、グローバルな製造拠点、そしてシリコンで実証された自動車グレード技術のポートフォリオを活かし、ACPが注力するリファレンスチップレットアーキテクチャの開発や、厳格な自動車規格に適合するインターコネクト技術の認証を支援できることを嬉しく思う」と述べた。

imecの自動車部門バイスプレジデントであるBart Plackle氏は「自動車エコシステム全体からの企業の関与を拡大することで、業界のニーズに合わせたチップレットアーキテクチャやインターコネクト技術を開発し、実際の製造条件下で検証する能力が強化される」ことにより、「業界全体にとってリスクを低減し、導入を加速させることができる」と期待した。

なお、imecは10月16日に、独バーデン=ヴュルテンベルク州ハイルブロンに新たな研究拠点を開設したと発表。同拠点はACPの中核拠点として、最先端のチップレット設計と高度なパッケージング、システム統合、センシング、エッジAIの応用といったソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)向けHPC基盤の開発が進められる予定である。