米半導体大手、NVIDIAは8月28日、2024年第2四半期(5~7月期)の決算を発表した。売上高は前期比15%増、前年同期比122%増の300億4,000万ドル、純利益は前期比12%増、前年同期比168%増の165億9,900万ドルとなり、ともに市場予想を上回り、四半期ベースで過去最高を更新する結果となった。AI半導体の需要が依然高く、同社の業績を大きく牽引している。

部門別に見ると、データセンター向けは前期比16%増、前年同期比154%増の262億7,200万ドルであり、同社売上高全体の87%を占めた。各企業が生成AI開発を競う中で、同社の主力製品である「H100」や「H200」の需要が非常に強い。この需要は2025年第2四半期まで継続するものと見込まれる。加えて同社は次世代AI半導体である「Blackwell」のサンプル出荷も同四半期に開始したと発表。今後、2024年第4四半期(11月~25年1月期)には製品の生産と出荷が開始され、数十億ドルの売上高を見込んでいるという。

ゲーム部門は前期比9%増、前年同期比16%増の28億8,000万ドルとなった。GeForce RTX 40シリーズの好調が要因となっている。また、自動車部門が前期比5%増、前年同期比37%増の3億4600万ドルとなった。同社の開発した車載向け半導体「DRIVE Thoe」は電気自動車(EV)メーカーが採用を決めている。

なお、同社は第3四半期の予想についても発表。売上高は325億ドルとの見通しを示し、過去最高を更新した今期からの更なる増収を見込んでいる。

現在、NVIDIAのデータセンター向けAI半導体のシェアは約8割程度とされている。米Advanced Micro Devices(AMD)などの競合するメーカーもNVIDIAの「H100」「H200」の代替品を投入しているが、「Blackwell」の製品出荷開始が目前に迫り、NVIDIAの優位は引き続き続いていくものと予測される。