レゾナックは9月3日、半導体材料・装置・設計分野の企業27社によるコンソーシアム「JOINT3」を設立したと発表した。次世代半導体パッケージ技術の開発に取り組む。活動期間は2025年8月からの5年間となっている。

「JOINT3」には東京エレクトロン、AGC、荏原製作所などの日本企業に加え、米Applied Materials、米3M、独Comet Yxlon、新ASMPT Singaporeなどの海外企業も参加する。参加各社の出資金は計260億円となる。この出資額の分担は非開示だが、レゾナックが最多とのこと。

同コンソーシアムでは後工程パッケージングで使う技術「インターポーザー(中間基板)」の研究開発を推進する。複数の半導体チップを並列に配置し、インターポーザーを介して接続・実装した2.xDパッケージは高速大容量通信に向いており、需要が拡大している。従来は300mmシリコンウエーハを支持材に使用し、円形のウエハから四角片を切り出す「ウエーハ・レベル・パッケージ」だったが、半導体の性能向上に伴い、インターポーザーのサイズが大型化しており、ウエーハ1枚あたりの取り数が減少するという課題が生じていた。この課題を解消するため、四角形で大型のガラスパネルを支持材に使う「パネル・レベル・パッケージ」への移行が進んでいる。

同コンソーシアムではパネル・レベル・パッケージの試作ラインをレゾナックの下館事業所(茨城県結城市)に構築し、2026年に稼働させる。試作ラインでは寸法が510mm×510mmのパネルを採用し、有機RDLインターポーザーとチップ埋め込み型インターポーザーの開発に着手する。前者は線幅/線間隔(L/S)が1㎛/1㎛以下で配線数が5層以上、後者はL/Sが2㎛/2㎛を目指す。こうした微細加工の技術向上に向け、米Applied Materialsをはじめとする前工程装置を手掛ける企業の持つ技術を活用する。

レゾナックの高橋秀仁社長はJOINT3の設立について、「各社が持つ強みやノウハウを結集し、補完し合うことで、これまで到達できなかった領域への挑戦が可能になる」とし、「この挑戦は、単なる技術開発に留まらず、社会課題を解決するソリューションの創出へとつながっていく」と述べた。

出典:レゾナック ニュースリリース