東京エレクトロン(TEL)は2021年6月8日、オランダVeldhoven(フェルドホーフェン)にある「imec-ASML joint high NA EUV research laboratory」(imec-ASML 共同高NA EUV研究所:高NAラボ) において、2023年より稼動予定のオランダASML社の次世代高NA EUV露光装置「ASML EXE:5000 (開口数NA=0.55) 」とインライン接続するコータ/デベロッパを導入することを発表した。

高NA EUV露光装置は、従来のEUV露光装置を上回る微細化対応技術として期待されている。今回、高NAラボに導入予定のコータ/デベロッパは、従来から広く使用され、実績のある化学増幅型レジストや下層膜の対応のみならず、塗布型メタル含有レジストにも対応した最新機能も搭載している。塗布型メタル含有レジストは、高い解像度、高いエッチング耐性が実証されており、さらなる微細パターン向けレジストとして期待されている。一方で、パターン寸法の制御、ウェーハ裏面・ベベル部のメタルコンタミ制御など、高度な制御が必要になる。今回、高NAラボに導入する装置では、メタル含有レジストに対応した新たなプロセスモジュールを搭載し、これらの高度な課題に対応している。

新たなプロセスモジュールを搭載したTELのコータ/デベロッパを用いることで、化学増幅型レジスト、メタル含有レジスト、および下層膜などさまざまな材料を、1台の装置でインライン処理でき、フレキシブルなFab運用、塗布現像装置の優位点である高生産性と高稼動率を同時に実現することが可能になる。
さらに、連続した複数工程向け装置をラインアップに有するTELの強みを生かし、リソグラフィ工程向けの塗布現像に加え、エッチング工程を含む包括したパターニングソリューションを、パートナーであるレジスト材料メーカと連携して実現していく。