半導体受託生産最大手の台湾・TSMCは7月25日、約900億台湾ドル(約4,000億円)を投じ、高性能半導体の生産に必要な特殊工程「先端パッケージング」の新工場を台湾中部の苗栗県に新設すると発表した。生成AI向けの需要の急増に対応する。

近年、AI関連の需要が増加したことにより、同社の「先端パッケージング」技術の需要が逼迫しており、顧客のニーズを満たすため、製造体制をできるだけ早く増強する必要が謳われていた。

新工場の建設予定地は苗栗県の「銅鑼サイエンスパーク」内であり、同社は同地に約7.9ヘクタールの土地を取得することで合意した。同地区では、既にPSMCが新工場建設に向け、広大な土地を確保していたが、台湾政府がPSMCの黄崇仁会長に働きかけ、工場建設計画がまだ始まっていない土地をTSMCに譲渡することが決まったようである。

新工場は2024年の下半期から建設が開始され、2026年に完工し、2027年の第3期に量産を開始する予定である。完成後は「先端パッケージング」技術の主要工場として稼働し、12インチウエハの「3D Fabric」パッケージング工程を月11万チップに施すことが出来るようになり、需要の急増に対応可能となる。また、約1500名の雇用を創出する見込みである。