国内半導体大手のロームは2022年11月22日、マツダ株式会社、株式会社今仙電機製作所と、e-Axleを含む電気自動車(EV)の電動駆動ユニットに搭載されるインバータ及びSiCパワーモジュールの共同開発契約を締結したことを発表した。
e-Axleは、モーター、減速機、インバータを一体化させた「EVの心臓部」で、電動車の走行性能や電力変換効率を左右する重要なユニット。特に駆動の中核を担うインバータでは高効率化に向けて、SiC MOSFETに大きな期待が寄せられている。
ロームは、マツダを中心とした「電動駆動ユニットの開発・生産に向けた協業体制」に参画し、今仙電機などパートナー企業との共創によってe-Axle全体を見据えたインバータの共同開発を行う。また、その性能向上を支える先進的なSiCパワーモジュールを開発・供給することによって、他にはない小型・高効率な電動ユニットの創出を目指す。
ロームはSiC事業に注力しており、ローム・アポロ筑後工場(福岡県筑後市)に専用工場棟を建設して増産準備を進めてきたが、設備の搬入を終え、12月下旬に本格量産を開始する。26年3月期にはSiC関連の売上高を22年3月期の7倍の1,100億円に高める目標を立てる。
この新工場を含めて2026年3月期までにSiCパワー半導体に最大2,200億円を投じて世界シェア3割を目指す。