三菱電機は2023年3月14日、熊本県にSiCパワー半導体の新工場を建設することを発表した。新工場は同県菊池市泗水町にある中小型LCDパネルの製造子会社「メルコ・ディスプレイ・テクノロジー」の敷地内に建設される。なお、同工場は2023年5月にLCD関連の製造を停止する予定。

新工場は8インチのSiCウエハ対応となるが、現在も需要が拡大している6インチウエハ対応の生産能力も強化する。設備投資額は約1,000億円を計画している。2026年の稼働開始を目指している。フル稼働時の生産能力などは未公表。しかし、プレスリリースによると「熊本地区の2026年度のSiCウエハー生産能力は、2022年度比で約5倍になる予定」としている。

三菱電機では、さらに約100億円を投資して、福岡地区(北九州市)にパワー半導体の後工程工場を新設する。同地域にはパワーデバイスの設計・開発を施設を稼働しており、後工程工場を設けることで設計・開発から生産技術検証までを九州地区で一貫して行う体制を構築、製品開発力の向上を図っていく。
新工場建設に伴い、パワーデバイス事業の2021年度から2025年度への設備投資を従来から倍増し、2,600億円とすることも発表している。