半導体ファブレス大手の米Qualcommは2025年11月5日、2025年第4四半期(7~9月期)及び2025年通期の決算を発表した。2025年第4四半期の売上高は前期比9%増、前年同期比10%増の112億7,000万ドル、GAAPベースの純利益は前期の26億6,600万ドルの黒字、前年同期の29億2,000万ドルの黒字から赤字に転じ、31億1,700万ドルの赤字となった。同社が四半期ベースで最終赤字となるのは約7年ぶりで、主力のスマートフォン向け半導体は好調だったものの、トランプ米政権の税制改正に伴って繰り延べ税金資産の引当金を計上したことにより、赤字となった。

また、2025年通期の売上高は前年比14%増の442億8400万ドル、GAAPベースの純利益は同45%減の55億4100万ドルとなった。黒字ではあるものの、やはり第4四半期の税制変更による赤字が大きく響いた形になる。

部門別にみると、2025年第4四半期のQCT(Qualcomm CDMA Technologies=製品)部門の売上高は前年同期比13%増の98億2,100万ドル、うち携帯端末向けが同14%増の69億6,100万ドル、自動車向けが同17%増の10億5,300万ドル、IoT向けが同7%増の18億700万ドルとなった。また、2025年通期のQCT部門の売上高は過去最高となる前年比16%増の383億6,700万ドルを記録した。そのうち、携帯端末向けが同12%増の277億9,300万ドル、自動車向けが同36%増の39億5,700万ドル、IoT向けが同22%増の66億1,700万ドルとなっており、事業そのものは堅調であることがわかる。

同社は2026年第1四半期(10~12月期)の業績予想についても発表。携帯端末向けで堅調な需要が継続することから、売上高について市場予想を上回る118億~126億ドルとの見通しを立てた。