4月3日、台湾東部を震源とした地震が発生。マグニチュード7.2を観測した。台湾には多数の半導体メーカーが工場を置くが、ファウンドリやDRAMメーカーの工場が分布するエリアで最も強い揺れが観測されたのは新北市林口区で震度4~5で、その他の地域も震度4程度の揺れが確認されたため、各社は操業を一時停止し、点検作業を行った。

ファウンドリについて、TSMCは新竹市の新竹サイエンスパークに位置する工場のうち、最新ファブであるFab12において配管の破損による若干の水害が発生し、主に量産前の2nmプロセスに影響があったが、操業への影響は短期的なものに留まる見込み。新竹のその他の施設では点検後に操業を再開しており、大きな被害は報告されていない。また、台南市の3nm、4nm、5nm量産拠点は一時操業を停止したものの、5日にも完全復旧したとのこと。

加えて、同社のパッケージング技術「CoWoS」(Chip on Wafer on Substrate)を導入する後工程工場では、桃園市龍潭区の「AP3」および新竹サイエンスパーク竹南科学園区の「AP6」において、検査でチラーユニットに若干の水損が見つかったものの、バックアップ設備もあり、すぐに操業を再開、影響はないものとみられる。

その他、新竹市に6インチ及び8インチ工場を、台南市に12インチ工場を運営するUMC、新竹市や苗栗県で8インチ及び12インチ工場を運営するPSMC、新竹市と桃園市に工場を有するVanguard International Semiconductorについても点検後、すべての工場が完全復旧済みであるという。

また、DRAMメーカーでは、Nanyaの新北市のFab3A、Micron Technologyの桃園市の工場が地震の影響で操業停止したものの、これらは数日以内に完全復旧する見込みで、HBMを含む今後の製品生産は台湾で継続される。なお、PSMCの12インチDRAM工場やWinbondでは被害は確認されていない。

多くのメーカーの工場は震源からやや離れた位置に存在するため、全体的に被害は軽微で、半導体供給量、各社業績には影響しないものとみられる。