2023年12月13日、光源、露光装置大手のウシオ電機株式会社は、半導体製造装置最大手の米Applied Materials(AMAT)と3DパッケージへのチップレットやHIのロードマップを加速するための戦略的パートナーシップの締結を発表した。両社は、ガラスなど、大型基板上へのヘテロジニアスインテグレーションやチップレット集積に移行する業界の動きを加速するために大型基板プロセスに知見があるAMATと、パッケージ露光に知見があるウシオ電機で提携を行うことによって、世界の大手半導体メーカーが取り組むサブミクロン配線のチップレットを実現可能にする新たなデジタルリソグラフィ技術(DLT)を確立させ、AI時代のコンピューティングに求められるパッケージ基板をパターニングするために特別に設計されたデジタルリソグラフィ装置を共同で市場投入するとしている。

両社が発表する新しいDLT装置は、量産レベルのスループットを実現しながら、先端パッケージ基板に求められる解像度を達成できる唯一のリソグラフィ装置としている。線幅2μm以下のパターニングに対応可能で、ガラスや有機材料製の大型パネルや、ウェーハを含むあらゆる基板上のチップレット設計において、最適な解像線幅を実現することが可能としている。また、このDLT装置は、大型基板に起こりやすい予想外の基板の反りという課題を解決しながらオーバーレイ精度を実現するために独自設計されているという。すでに量産用の装置が複数の顧客に出荷されており、ガラスや有機材料の最先端パッケージ基板上で2μmのパターニング製造実証が行われているという。

今後、両社は共同で研究開発と拡張的なロードマップの定義を行い、線幅1ミクロン以下の最先端パッケージングに向けて継続的なイノベーションを進める。また、ウシオは長年培ってきた製造技術およびカスタマーサポートのインフラを活用してDLTの採用を促進していくという。