米半導体大手、NVIDIAは2月21日、2024年度第4四半期(2023年11月~2024年1月)及び2024年度通期の決算を発表した。これによると、第4四半期の売上高は前期比22%増、前年同期比3.7倍の221億300万ドル、純利益は前期比33%増、前年同期比8.7倍の122億8,500万ドルを記録し、ともに市場予想平均を上回る過去最高額を達成した。

また、2024年度通期の売上高は前期比2.3倍の609億2,200万ドルとなり、こちらも過去最高額となった。通期の売上高で米Intel(2023年12月期の売上高は約542億ドル)を上回り、半導体売上高で初めて世界首位となった。

こうした業績を牽引したのはデータセンターで使うAI処理用のGPU(画像処理半導体)、「NVIDIA Hopper」プラットフォームの需要の大幅な増加である。様々なAIアプリケーションが開発・運用されているが、その大部分に同社の製品が採用されている。データセンター部門の第4四半期売上高が前期比27%増、前年同期比約5倍の184億ドル、通期では前年比約3倍の475億ドルを記録しているところからも、いかにAI向けの需要が急増しているかが読み取れる。

同社CEOのジェンスン・ファン氏は「アクセラレーション コンピューティングと生成 AI は転換点を迎えた。 需要は企業、業界、国家を超えて世界中で急増している」と述べ、2024年は年間を通じて需要が供給を上回り続けるという見方を示した。

一方で、米国政府による対中半導体輸出規制強化の影響で、中国向けの売上高は減少したとしている。ファン氏は中国向け製品について、「規制に合わせて出荷を一時停止し、製品を調整するのに時間がかかった。中国で扱う製品群を見直し、今はサンプルの出荷を始めたところだ」としたうえで、「前四半期は出荷停止により事業が大きく落ち込み、今四半期(2024年2〜4月期)も同様になると見込む。その後は再び市場で競争できるのを期待する」としており、中国向けの売り上げ回復まではもう少し時間がかかるとした。