米Gartnerは2月3日、2024年の世界半導体市場の売上高について発表し、前年比18.1%増の6,260億ドルとなったことを明らかにした。同社のVPアナリストであるGeorge Brocklehurst氏は、「データセンターのアプリケーションに使われる画像処理半導体(GPU)とAIプロセッサが2024年のチップ部門の主要な牽引役であった」とし、「AI需要の高まりと生成AIの情報処理能力により、データセンターは2024年にスマートフォンに次ぐ半導体第2位の市場になった」と述べた。

同社は半導体メーカーの売上高ランキングについても発表。2024年は1位が韓・サムスン電子、2位が米・Intel、3位が米・NVIDIAとなった。

Samsung Electronicsは同年、メモリデバイス価格の力強い回復に牽引され、売上高は665億ドルを記録し、Intelから首位の座を奪還した。IntelはAI PCと「Core Ultra」の製品群ではAIアクセラレーターの限定的な成功とx86事業の控えめな成長を相殺するには不十分であり、Samsung Electronicsに首位の座を明け渡すことになった。なお、Intelの2024年の半導体売上高は前年比で0.1%とほぼ横ばいだった。また、NVIDIAはAI半導体の好調により、引き続き好調を維持し、半導体の売上高は前年比84%増となり、前年から順位を2つ上げる結果となった。

2024年の世界市場の部門別の売上高としては、メモリは前年比で71.8%増、全体に占める割合も25.2%に増加した。そのうち、DRAMは同75.4%、NANDは同75.7%の増益となった。なお、DRAMの売上増にはAI向け半導体である高帯域幅メモリ(HBM)の売上が大きく寄与しており、DRAM全体に占める売上高割合は13.6%となった。

一方、非メモリ部門は前年比で6.9%増となった。顧客の在庫調整が進んでいることが伺える。

同社は2025年の売上高について、7,050億ドルと予想。Brocklehurst氏は、「HBMがDRAMの売上高に占める割合も増加し19.2%に達するだろう。HBMの売上高は2025年に同66.3%増加し、198億米ドルに達すると予測される」とし、引き続きメモリやAI半導体が短期的な成長を牽引するとした。