三菱電機は、2023年5月29日に行われた経営戦略説明会において、半導体・デバイス事業の今後の方針について発表した。

半導体・デバイス事業では、75%の売上比率を持つ主力のパワーデバイスが、車載向けを中心にSiC市場が急速に加速していることから、今後の成長基盤として、自動車向けSiC製品の開発・次世代化加速・グローバル拡販の強化・SiC基板サプライヤとの戦略的パートナシップ構築による安定調達確保・技術連携強化・生産能力増強(6インチウエハ増産、8インチ新工場棟建設)を図り、2030年にはSiCの売上比率を30%にする目標を発表した。

SiCの生産能力増強では、熊本県(泗水地区)に最先端の省エネ性能と自動化を実現する8インチラインを持つ工場棟を建設し(2026年4月稼働)、需要の拡大に合わせ順次生産能力を拡張していく。6インチでは既存ラインの増強を行なっていく。これにより、トータルのSiC生産能力を2026年度には、2022年度比で約5倍に拡大していくという。

一方、Si分野では製品ポートフォリオの変革(標準化・共通化推進、自動車・民生向けを中心とした戦略製品拡大) と、生産性の更なる向上(生産効率の高い福山工場での8インチウエハの生産拡大、12インチへの大口径化)を図り、売上の拡大を目指す。

福山工場では12インチラインを24年度から稼働し、8インチラインには生産効率を高めたラインを構築することで、生産能力を2025年には、2020年比で2倍に拡大させる。