富士フイルムは1月25日、熊本県菊陽町の工場でCMPスラリーの生産設備を本格稼働させたと発表した。同社はこれまで米国アリゾナ州、韓国天安市、台湾新竹市の工場でCMPスラリーを生産していたが、国内の生産拠点としては熊本が同社初となる。

同設備は、富士フイルム子会社で電子材料を扱う富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズが、熊本県菊陽町に立地しディスプレイを生産する富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州エリアに約20億円を投資して新設したもの。同町に台湾・TSMCが進出するのを受け、半導体生産に不可欠な材料である同製品をTSMCの工場に迅速に供給する目的で新設した。

同日の始動式では、後藤禎一社長と蒲島郁夫熊本県知事が出席してテープカットが行われた。後藤社長は、「半導体関連企業が進出する熊本では投資が活発化している。半導体材料の中核生産拠点として重要な役割を担い、日本そして九州の半導体産業に貢献したい」と述べた。

なお、富士フイルムは今後、同じ菊陽町の拠点にイメージセンサー用カラーフィルター材料を生産する最新鋭設備の導入を計画している。投資額は約60億円で2025年春の稼働を予定している。

出典:富士フイルム株式会社 ニュースリリース